毛皮のエロス
毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイトとは編集
- Fur: An Imaginary Portrait of Diane Arbus2006年|アメリカ|カラー|122分|画面比:1.85:1|R-18スタッフ監督:スティーヴン・シャインバーグ製作:ローラ・ビックフォード、パトリシア・ボズワース、アンドリュー・ファイアーバーグ、ウィリアム・ポーラ.. 続きを読む
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ニコール・キッドマン演じるダイアン・アーバスって名前がわたしのなかになかったのだけど、あの!双子ちゃんの写真のひとね。
紳士的で可憐なライオネルによって押し込められてたこころを解放して写真家へとなっていくだなんて。彼女へのロマンチックなオマージュ。
毛皮のエロスは 美女と優しい野獣・イン・ワンダーランド の手触り。メルヒエン。
原題はただのFURなのになんで毛皮のエロスにしちゃったんでしょ。エロスとタナトスはたしかに作品のテーマではあったでしょうけれど。確かにライオネルの全身の毛を剃り落すシーンは怠惰でエロティックだったわ。
ライオネルの暴かれた素肌に散る無数の切り傷と大きな瞳が揺れてはかなくて、ああこのひともうすぐ消えちゃうんだなあって切なくって。
ロバート・ラブリー・おじさんのライオネルは毛で覆われてた時の方が紳士でファニーでキュート!大好き♡
ダイアンのレンズを通したフリークスもヌーディスト村も優しくて明るくてだからこそいびつで倒錯的で つながっているんだなあって。おんなじものを追い求めて撮り続けていたのねって。
画がいちいち素敵で。ワンダーランドにふさわしい。妖しくって醜くってケバケバしくてキュートで静謐で美しい。ふしぎな感触の映画だった。わたしは好き。
わたしは映画に対して甘くてロマンチストだから、何かひとつでもこころにひっかかったらもうそれでいいんだよね。美しかったり醜かったり したら それで。