ねにもつタイプ

ねにもつタイプ

ねにもつタイプ

今回の旅でお世話になったのはこの作品。ハードカバーで嵩張るけれど発つ前日に届いたものだからどうしても読みたくて。それで失敗だった。だって笑いをこらえるのが大変で飛行機の中できっとわたし不審人物。全体を通してほのかに哀しみのようなものがしみついていてそれが静かなおかしみを誘うのだ。けれどその笑いというと、ふつふつと沸いてくる類のものだから。だから見事に不審人物。でもページをめくる手を止めるなんてこと、このアブナイ魅力の前にはもともと意志薄弱なわたしには無理。見事にトリップさせてくれて、わたしは旅の間に二重に旅をしたこととなった。
へんてこなこの世界にクラフトエヴィング商會の装丁はなんて見事に美しい調和を見せているんだろう?