同じ一日

前の日のお祭りの匂いを残したままの朝、ぼんやりとした職場が刃物を持った男の登場で水を打ったように静かになり、そうしてざわざわと。どれくらいの時間が経ったのかその男と男の人たちとのぎらりと光る銀色のモノと椅子の攻防戦が終わりを迎え、凍りついていた空気が少しのぎこちなさを残して動き出した頃、外ではパトカーの音が近づいて。そしてわたしはひとに刃物を向けることについてそのおそろしさについて考えていた。
それなのに今日もお祭りでわたしは夕方には浴衣に着替え5時過ぎにはビールを飲み、子供に懐かれ、そして踊り、踊り疲れてくたくたの身体で今年もまた船の上からの花火を楽しんだのだ。これでもかとたたみかける大群の花火になんてにんげんってちっちゃいんだーって叫んだ。長い長い一日のおわりのことでした。