風吹けば恋 マウスピースによせて

1部が終わった後、わたしは此処にいられなかったかもしれないのにってステージ正面のお席でぼんやりと。足元には旅行鞄が一度も開けられず置いてあり、そうだったわたしはほんのついさっき東京に降り立ってそのまま此処に辿り着いたのだわ、と。何か大きなものに導かれている とあらゆるものことに感謝をする。わたしの大好きなひとのいろいろな顔にたくさんたくさん出逢うことができたの。なんて!なんて大きなアイドルなんだろうってぶるぶると震えた。巻き舌のLOSTの気合い、にゃんにゃんダンスでおしりをぷりぷりしたあとちらりと送るいたずらな目線、キラキラの仮面で妖しく歌い踊る様、未来へと向かうきらめき、美女をはべらしふんぞりかえる冷たい瞳、思いっきり鞭を振り下ろし美女たちをなぎ倒す炎の青いとこみたいな熱さ。チェーンフライングでまるで彫刻のような美しいものがこちらを向いて突然花開くみたいににーっこりとほころんだの。わたしびっくりしてしまって心臓が痛んで仕様がない。格好よくて溜息をつくか涙をこぼすしか、もう術がないような気がした。