よき戦いにござった!

のぼうの城

のぼうの城

丹波も和泉も靱負も珠さまも甲斐姫も明嶺もなんと勇ましく魅力的な。読みながらくすくすと嬉しい笑い。だけど、三成。美しく、激しく、潔癖で、強い美意識を持つ清廉な愚か者。愛するしかない。(わたしだけではなくて秀吉からも過保護な愛を、親友吉継からも見守りの愛を)そして一生の友である吉継の男前な様。それから、のぼう様はほんとうに悪人だわ。皆が、彼を好きになる。こわいひと。
オノナツメの装画がずるい。にじみでる色気にあてられた。


作者のひとはもともと脚本家の方で映画化前提の執筆だった模様。映画化決定は起こるべくして。犬童監督が撮るの。想像つかないわ。だけど、この小説の持つ甘くてちょっとビターなファンタジーは監督の中に感じたりもする。から。キャストは未定。端正な顔に激情をあわせもつ三成は誰?誰なの?堺さん?激しさが足りない?不遜で素直な自称戦の天才・靱負はたける、もしくは未來くんじゃないかしら?甲斐姫は上戸の彩たんとかコウたん・・・。のぼうさまは得体の知れなさを感じたいからピエール瀧?・・・曲者すぎる。