私信めいた江國語り

江國作品ファンではあるのですが、最近の作品については語れないのです。ファンなのかしらそれって?比較的最近の作品で、ホテルカクタスはまだ一回しか読んでないけど好きだなあと思いました。モンテロッソのピンクの壁も好きなかんじでした。かなしいけれど。江國のなんともいえない朴訥としたかなしさが好き。鈍いような鋭いような哀しみが、幸福とはこういうことなのかしら?と錯覚させられそうな、過敏な少女みたいな思い込みに引きずられるかんじが。
あと赤い長靴の装丁が気になって気になって気になって読んでみたいなあとも。活発な暗闇も。

赤い長靴

赤い長靴

活発な暗闇

活発な暗闇

いくらネットで読めるようになったとしても、紙の匂いとか装丁の美しさとか手にもったときのずっしり感とか活字の感じとか(文字の密度というのか、文字と文字の隙間とか書体が心地よいとかんじるもの)本ってそういうことだよねえ。

完璧に時代から取り残されてるなあと感じたのは、はまぞう*1で検索かけたら知らないのいっぱいあって。時が流れるのは早いです。

江國はすいかの匂いとぼくの小鳥ちゃんが好きという両極端なラインナップ。あとデュークも。自称江國好きに「すいかの匂いは・・・えぐいなあ。デューク?甘すぎ。江國はやっぱりホリーガーデンでしょう」って言い切られてしまった過去があります。えー?そうなのー?江國はそのえぐさと甘さのバランスだと思ってたわ、とわたし。十代だった。今読み直すときっとまた違うのだろうなあ。きっと彼の方も。

すいかの匂い

すいかの匂い

短編が大好きで大好きでねぎを刻むとか藤島さんが来る日とか。特に好きだったのは子供たちの晩餐。ああたのしそう、とうっとりしてしまう。

*1:はまぞうってかわゆいよねえ